徳経
第六十四章
第 27 篇
局面が安定しているうちは維持しやすく、事態にまだ兆しが現れていないうちは計画しやすい。物事が脆いうちは解消しやすく、微細なうちは散失しやすい。事が起こらないうちに処理し、天下が乱れないうちに治めるべし。両腕で抱えるほどの大木も、細かな芽から生長する。九層の高台も、一籠ずつの土から積み上がる。千里の遠行も、足下の一歩から始まる。作為をなせば失敗し、把持すれば失う。ゆえに聖人は作為をなさないゆえに失敗せず、把持しないゆえに失わない。人は事をなすとき、往々にして成功間近で失敗する。事の終わりを始めのように慎めば、失敗することはない。ゆえに聖人は人が欲しがらないものを欲し、珍しい財貨を尊ばない。人が学ばないものを学び、衆人の過ちを補う。これをもって万物の自然な発展を助け、あえて妄為をなさない。
