モバイルで快適に読む 『傷寒雑病論』アプリ:全文検索、しおり、読み上げ、オフライン
テーマ
文字サイズ 18
傷寒雑病論

弁痙陰陽易差後病脈証並治

第 22 篇

太陽病、発熱あり、汗なく、かつ悪寒するもの、脈が沈んで遅ければ、剛痙という。

太陽病、発熱あり、汗出て、悪寒しないもの、脈が浮いて数であれば、柔痙という。

太陽病、発熱あり、脈が沈んで細ければ、痙病といい、治療し難いものに属する。

太陽病、発汗が多すぎるため、これにより痙病となる。

風病、瀉下法を用いれば痙病となり、さらに発汗すれば、必ず身体が拘急し抽搐する。

瘡瘍のある者は、発汗してはならない。発汗すれば痙病となる。

病人、身体は発熱し、足は冷たく、頸項が硬直し、悪寒し、時に頭部が発熱し、面色が紅く、目が紅く、頭部のみ動揺し、突然牙関緊急し、背部が後ろに反張するもの、これが痙病である。もし病人に発汗すれば、寒湿の気が合わさり、体表はますます虚弱となり、悪寒がさらに強くなる。発汗の後、その脈が蛇行のように蠕動し、突然脈が長大となるものは、病がまさに解せんとするものである。脈が元のままであるもの、および脈が伏して弦緊なるものは、病がまだ解けていない。

痙病の脈は、按ずると緊硬して弦の如く、上から下へ直行する。

痙病、もし身に灸瘡のあるものは、治療し難い。

太陽病、諸症がすべて備わり、身体が強ばり、頸項が強直して柔和でない様子、脈がかえって沈んで遅いもの、これは痙病であり、栝蒌桂枝湯で主治する。

栝蒌桂枝湯方

栝蒌根三两、桂枝三两(去皮)、甘草二两(炙)、芍药三两、生姜二两(切)、大枣十二枚(擘)

右六味、水七升にて、微火で煮て三升を取り、滓を去り、適宜の冷温に調節し、毎服一升、日三服す。

太陽病、汗なし、しかも小便かえって減少し、気が上って胸に衝き、牙関緊急して語ることができず、剛痙を発せんとするもの、葛根湯で主治する。

葛根湯方

葛根四两、麻黄三两(去節)、桂枝二两、甘草二两(炙)、芍药二两、生姜三两(切)、大枣十二枚(擘)

右七味、水一斗にて、先ず麻黄、葛根を煮て二升を去り、上の沫を去り、諸薬を納れ、煮て三升を取り、滓を去り、温めて一升を服し、被を覆い微汗を取る。汗出でざれば更に一升を服し、汗出でれば後の薬を止む。

痙病、手足は冷たく、発熱と寒冷が交互に現れ、唇は青く、目は陥没し、脈が沈んで弦なるもの、これは風邪が厥陰経に入ったものであり、桂枝加附子当帰細辛人参乾姜湯で主治する。

桂枝加附子当帰細辛人参乾姜湯方

桂枝三两、芍药三两、甘草二两(炙)、当帰四两、细辛一两、附子一枚(炮、去皮、破八片)、人参二两、干姜一两半、生姜三两(切)、大枣十二枚(擘)

右十味、水一斗二升にて、煮て四升を取り、滓を去り、温めて一升を服し、日三服し、夜に一服す。

痙病、本来太陽経に属するが、もし発熱し、汗出で、脈が弦にして充実なるものは、陽明経に転属したものであり、承気湯の類の方剤を病人に与えるべきである。

痙病、胸部脹満、牙関緊急、平躺できず(背反張し、席に著くこと能わざるが如し)、脚部抽搐攣急し、必ず牙を咬み締め介歯声を発するもの、大承気湯を用いるべきである。

大承気湯方

大黄四两(酒洗)、厚朴半斤(去皮)、枳实五枚(炙)、芒硝三合

右四味、水一斗にて、先ず枳实、厚朴を煮て五升を取り、滓を去り、大黄を納れ、煮て二升を取り、滓を去り、芒硝を納れ、更に微火で一二沸させ、分けて二回温服す。一服して瀉下すれば、後の薬を止む。

傷寒陰陽易という病、病人は身体が重く、気短し、小腹裏急し、あるいは陰部に牽引して拘急攣縮し、熱気が上って胸に衝き、頭が重くて上げたくなく、目に花があり、膝と脛が拘急するもの、焼裩散で主治する。

焼裩散方

婦人の内褲の陰部に近き所を剪み取り、焼いて灰となし、水にて調和して一方寸匕を服し、日三服すれば、小便通利し、陰頭やや腫脹すれば即ち愈ゆ。婦人が病を得れば男子の内褲の裆部を焼き、同法に従い水にて調和して服す。

大病愈えた後、労により復発するもの、枳実梔子豉湯で主治する。もし停滞した食物あれば、大黄を碁子大の五六枚加える。

枳実梔子豉湯方

枳实三枚(炙)、栀子十四枚(擘)、香豉一升(綿裹)

右三味、清漿水七升にて、空煮して四升を取り、枳实、梔子を納れ、煮て二升を取り、香豉を納れ更に五六沸させ、滓を去り、分けて二回温服し、被を覆い病人をして微汗を出ださしむ。

傷寒病癒えた後、また発熱するもの、小柴胡湯で主治する。脈の浮くものは、発汗法を用いて解除す。脈の沈んで充実するものは、瀉下法を用いて解除す。

小柴胡湯方

柴胡八两、黄芩三两、人参三两、甘草三两(炙)、半夏半升(洗)、生姜三两(切)、大枣十二枚(擘)

右七味、水一斗二升にて、煮て六升を取り、滓を去り、再び煎煮濃縮して三升を取り、温めて一升を服し、日三服す。

大病愈えた後、腰より下に水気(水腫)あるもの、牡蛎沢瀉散で主治する。

牡蛎沢瀉散方

牡蛎、沢瀉、栝蒌根、蜀漆(洗去腥)、葶苈子(熬)、商陆根(熬)、海藻(洗去腥)

右七味等分、各々搗碎し、篩にて細散とし、再び臼中にて搗き均しくし、白湯にて調和して一方寸匕を服し、日三服す。小便通利すれば後の薬を止む。

大病愈えた後、吐唾を好み、長いこと好转せざるもの、これは胸膈上に寒飲あるが故なり、丸薬を用いて温補すべきであり、理中丸に適う。(方剤は霍乱篇に見ゆ)

傷寒病解除の後、身体虚弱消瘦し、気短し、気機上逆して吐きたくなるもの、竹葉石膏湯で主治する。

竹葉石膏湯方

竹葉二把、石膏一斤、半夏半升(洗)、人参三两、麦門冬一升、甘草二两(炙)、粳米半升

右七味、水一斗にて、先ず他の六味を煮て六升を取り、滓を去り、粳米を納れ、米熟するまで煮、湯成りて米を去り、温めて一升を服し、日三服す。

大病既に解除せられたるも、夕方の時に至りてやや心煩するもの、これは病がやっと癒えたところ、人が無理に病人に物を食べさせ、脾胃の気はなお虚弱にして、食物を消化できず、故に軽微な心煩を引き起こすものなり、飲食を減らせば即ち愈ゆ。