周書
冏命
第 54 篇
穆王は伯冏に命じて周の太僕正と為し、ここに『冏命』を作った。(原書にはこの文章はない)
王はかくのごとく言う:「伯冏よ、朕は徳行において能わず、先人を継ぎて大君の位に在り、心中警戒し恐れ、夜半に起きて、我が過ちを免れんと考える。
昔、文王・武王は聡明で荘厳かつ聖明であり、大小の臣子はみな忠良の心を懐いていた。その侍御や僕従は、正しき者にあらざるはなく、もって朝夕にその君主を承け奉り輔佐した。出入りや起居において、敬せざるはなく、号令を発するにおいて、善からざるはなし。下民は敬順し、万邦はみな美しかった。
朕一人は善徳なく、実に左右前後に在る在位の臣士に頼り、我が不足を匡正し、過ちや誤りを正し、我が非分の心を格除し、もって朕をして先王の功業を継ぐことを得せしむ。
今、朕は汝を大正と為し、衆僕・侍御の臣を端正にし、汝の君主の德行を励まし、互いに追い及ばざる所を補わせん。
汝の僚属を謹んで選び、巧言令色・偏邪に従い・諂媚して寵を取る者を用いることなかれ、ただ吉善の士を用いよ。
僕臣が端正なれば、その君主も端正となる;僕臣が諂媚なれば、その君主は自ら聖明と思う。君主に徳あるは、臣子に在り;君主に徳なきも、臣子に在り。
汝は奸邪の小人に近づくことなかれ、彼らをして耳目の官と為し、君上を導きて先王の典章に合わざる所に向かわしむることなかれ。
人をもって吉と為すにあらず、財貨をもって吉と為す;もしこの如くならば、すなわちその官職を病廃せしむるなり、すなわち汝は大いに汝の君主を敬奉せざる者と為し、朕は汝に罪を帰さん。」
王は言う:「ああ、恭敬せよ!久しく常法をもって汝の君主を輔佐せよ。」
