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山海経

山海経

上古神話地理誌

『山海経』は、中国の先秦時代に成立した古籍であり、作者は不詳である。上古の神話、地理、民族、物産、巫術などを集めた奇書で、『易経』『黄帝内経』と並んで「上古三大奇書」と称される。一人の手によるものではなく、戦国時代から秦漢時代にかけて長期にわたって蓄積・増補され、西漢の劉向・劉歆父子が校訂して十八篇とし、現在に至るまで伝わっている。

全書は山や川の方位を基準に、『山経』『海経』『大荒経』などの部分に分かれ、数百の山や数百の川、さらに奇怪な国々、神怪の鳥獣、神話上の人物を記録する。例えば、夸父が太陽を追う話、精衛が海を埋める話、刑天が盾と斧を振るう話、女媧が天を補う話、大禹が治水を行う話など、これらの物語は本書に由来し、中国文化の神話的記憶の重要な源泉となっている。

歴代、『山海経』の性質については多様な解釈がなされてきた。地理誌や地方の物産誌と見なす者もいれば、神話の集大成や巫術の書と見なす者もいる。魯迅はこれを「古の巫書」と呼び、現代の神話学は上古の思考や文化を研究する貴重な文献と見なす。その奇想天外な想像力は、後世の文学、絵画、宗教、民俗に深遠な影響を及ぼした。

中華神話と地理観念の原典として、『山海経』は先人たちの世界に対する認識と想像力を示している。本書を読むことで、上古の神怪世界に足を踏み入れ、中国文明の幼年期における華麗さと神秘性を感じ取り、多くの成語や典故、文化記号の深い源泉を理解することができる。