国風
園有桃
第 109 篇
「園に桃有り」
序言:「園に桃有り」は、時政を諷する詩である。大夫がその君の国が弱小で窮迫していることを憂え、また君が倹約吝嗇で民を善用できず、道徳の教化もなく、国土が日々侵削されていることを悲しみ、この詩を作った。
園に桃有り、その実をかくて餚と為す。
心の憂いや、我かつ歌いつ且つ謡う。
我を知らざる者は、我が士たるを驕れりと言う。
彼の人々の言は是なるか、何ぞ其れ爾(なんじ)の言をかくの如くする。
心の憂いや、また誰か知らん。
また誰か知らんや、庶幾(ねが)わくは考えざらんことを。
園に棘有り、その実をかくて食と為す。
心の憂いや、且つ国中に行きて散心せん。
我を知らざる者は、我が士たるを常無しと言う。
彼の人々の言は是なるか、何ぞ其れ爾の言をかくの如くする。
心の憂いや、また誰か知らん。
また誰か知らんや、庶幾わくは考えざらんことを。
「園に桃有り」は二章、各章十二句より成る。
