小雅
杕杜
第 9 篇
『杕杜』
序:『杕杜』は、兵役から帰還する者を慰める詩である。
一本の孤り立つ棠梨の木、その枝には丸々と実った果実が満ちている。君王の務めは果てることなく、日を重ねて延々と続いてゆく。
太陽と月はまた十月を迎え、女の心は憂いに満ちている。出征の人は、そろそろ暇を得られたであろうか。
一本の孤り立つ棠梨の木、その葉は茂り繁っている。君王の務めは果てることなく、我が心は悲しみに満ちる。
草木はかくも盛んに茂り、女の心は悲しみに満ちている。出征の人は、そろそろ帰って来るべきであろう。
あの北山に登り、そこに生える枸杞を摘もう。君王の務めは果てることなく、父母の暮らしを案じさせる。
檀の車は痛み朽ち、四頭の牡馬は疲れ果てている。出征の人は、もう遠くにはいない。
車は積み荷もなく、人は未だ帰らず、我が心は憂い苦しみで痛む。帰期は過ぎたのに人影は見えず、心の中は患いで満ちている。
亀甲と蓍草を共に用いて占えば、卦は皆、彼はすぐ近くにいると告げる。出征の人は、もう近くに来ている。
『杕杜』は全四章、各章七句から成る。
