小雅
何人斯
第 39 篇
『何人斯』
序文:『何人斯』は、蘇公が暴公を諷刺した詩である。暴公は卿士の地位にありながら、君主に讒言して蘇公を陥れた。そのため蘇公がこの詩を作り、彼と絶交したのである。
あの者は何者ぞ? その心根は実に険悪である。なぜ我が家の魚梁を通りながら、我が門に入らぬのか? 誰に従いて行くのか? もとより暴公の許から来たのである。
二人連れ立って行くが、誰がこの禍を為したのか? なぜ我が家の魚梁を通りながら、入って我を慰めぬのか? 昔は今のようではなかったのに、今は我が意に合わぬと言う。
あの者は何者ぞ? なぜ我が家の庭を通るのか? その声は聞こゆれど、その姿は見えず。人に対して恥を知らず、天に対して畏れを知らぬ。
あの者は何者ぞ? 彼はあたかも旋風の如し。なぜ北から来ぬのか? なぜ南から来ぬのか? なぜわざわざ我が家の魚梁を通るのか? ただ我が心を乱すのみ。
汝が緩やかに歩む時も、休む暇は無し。汝が急ぎ歩む時も、車軸に油を注ぐ暇あり。汝がまれに来るというのに、なぜ我をかくも待ち望ませるのか?
汝が帰りて我が門に入れば、我が心は喜ぶ。汝が帰りて門に入らねば、その理由を知る由もなし。汝がまれに来るというのに、我をかくも憂え懼れさせる。
兄は陶の埙を吹き、弟は竹の篪を吹く。我と汝は縄の如く連なれど、汝は実に我を理解せず。この三つの祭具を捧げて、汝に誓い呪いを告げる。
汝が鬼か蜮ならば、捉えようも無し。されど汝は顔も面も持ち、人前で法則無き振る舞いをする。我はこの良き詩を作り、汝の変わり易き行いを暴き出す。
『何人斯』は全八章、各章六句。
