小雅
谷風
第 41 篇
『谷風』の序文には次のようにある。『谷風』という詩は、周の幽王を諷刺したものである。当時の天下の風俗は浅薄で、朋友の間の道義はすでに絶たれていた。
暖かな東風がひそやかに吹き、和やかな風に伴って細かな雨が降る。恐れおののく時には、ただ私とあなたとが互いに支え合っていた。ところが安らかで楽しくなると、あなたはかえって私を捨て去った。
暖かな東風がひそやかに吹き、和やかな風に伴って旋風が起こる。恐れおののく時には、あなたは私を抱きしめてくれた。ところが安らかで楽しくなると、あなたは私を、使い古した物を捨てるようにして捨て去った。
暖かな東風がひそやかに吹き、高くそびえる山の頂を越えて吹く。草にして枯れぬものはなく、木にして萎れぬものはない。あなたは私の大きな徳や恩を忘れ、ただ私の小さな恨みだけを覚えている。
『谷風』は全三章、各章六句からなる。
