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水滸伝

第四十二回 還道村三卷の天書を受く 宋公明九天玄女に遇う

第 42 篇

第四十二回 還道村にて三巻の天書を受く 宋公明、九天玄女に遇う

さてその時、宋江は宴の席にて衆の好漢に対し申しけるは、「小可宋江、かねてより皆様の御救いにより此の山に上がり、此の数日連日酒宴に興じ、誠に楽しう存じ候。ただ、老父の家に在りまする様、如何ばかりかと案じられてなりませぬ。目下、江州より朝廷へ申告が参り、必ずや済州へ回達、郓城県に落着して家族を追捕、正犯を比捕致すことと相成り、老父の安否も覚束なく存じ候。宋江、思い立ち、家に赴き老父を山に迎え取り、心配を絶ちたく存じ候。不知、弟の申すこと、皆様お許し下さるや否や」と。晁蓋云いけるは、「賢弟、これは人倫の大事件なり。我らが楽しみを受け、老父に苦労を掛けしむるは如何なることぞ。賢弟の願いを容れざるを得ぬ。ただ、衆の兄弟ら連日辛苦し、寨中の人馬も定まらず。二、三日待ち、寨中の人馬を整え、一路赴きて迎え取るが良かろう」と。宋江申しけるは、「仁兄、数日待つも差し支えござらねど、恐らくは江州の文書が済州に到り、家族を追捕致すこと、此の事、遅延を許さず。今は多勢を連れて行くに及ばず、只宋江が密かに自ら行き、弟の宋清と共に老父を迎え、夜の内に山へ上がるが宜しゅうございます。その時、郷中神も知らず、鬼も知らず。若し多勢を連れて行かば、必ずや郷里を驚かせ、却って不都合を招きましょう」と。晁蓋云いけるは、「賢弟、道中もしも過ちあらば、救う者も無し」と。宋江申しけるは、「父の為ならば、死すとも怨みませぬ」と。その日、固く留めけるも止まず、宋江強く行かんと欲し、即ち毡笠を取りて戴き、短棒を提げ、腰に利刃を帯び、山を下りぬ。衆の頭領、金沙滩まで送りて自ら帰る。

且つ説く、宋江、渡しを過ぎ、朱貴の酒店に至りて上陸、大路に出で郓城県へ向かう。道中、飢えれば食い、渇けば飲み、夜に宿り、暁に発つこと、言うを待たず。一日、宋家村へ急ぎけるが、遅くなりて到らず、且つ旅館に投じて宿る。翌日、道を急ぎ宋家村に至るや、未だ早く、且つ林の中に伏し、夜を待ちて庄に赴き後門を敲く。庄中聞きて、宋清出で来り門を開く。兄を見て、驚き慌てて云いけるは、「兄者、家に帰りて如何に?」と。宋江云いけるは、「我、特に家に来りて父と汝とを迎えんとす」と。宋清云いけるは、「兄者、江州にて為しし事、今や此処に知れ渡れり。本県より此の二人の趙都頭を差し遣わし、毎日来りて我等を勾引し、動くを得ず。只、江州の文書の到るを待ち、我等父子二人を捕え、牢に下し監禁し、汝を捉えるを待つべしとす。昼夜、一二百の土兵が巡邏す。汝、遅延すべからず。速やかに梁山泊に行き、衆の頭領を請い下し、父と弟とを救え」と。

宋江、之を聞き、驚きて一つの冷汗を流す。門に入るを敢えず、身を翻し走り、梁山泊への路に奔る。是の夜、月色朦朧として、路分明ならず。宋江、只僻静の小路を選びて走る。約、一更を過ぎし程に、只背後に人の発喊する声を聞く。宋江、首を回し聞くに、僅か一、二里を隔て、一簇の火把の照らすを見、只「宋江、走る勿れ」と叫ぶを聞く。宋江、走りつつ、腹の中に思案す、「晁蓋の言を用いざりし故、果たして今日の禍あり。皇天、哀れみ給え、宋江を救い給え」と。遠く一つの場所を望み、只管に走る。暫くして、風、薄雲を掃い、その輪の明月を現す。宋江、始めて仔細に認め、苦しみを叫び、高低を知らず。その場所を見るに、名を還道村と謂う。元来、周囲は高山峻嶺、山下に一筋の澗水、中間に只一つの路のみ。此の村に入り来れば、左に行き右に行くも、只此の路、更に第二の路無し。宋江、此の村口を認む。身を回さんと欲すれども、背後より追い来る者、既に路口を把し、火把照らすこと白日の如し。宋江、只村の中に奔り入り、路を尋ねて避けんとす。一つの林を抹し過ぎて、早く已に一所の古廟を見る。見るに:

牆垣は損われ傾き、殿宇は斜めに傾き、両廊の画壁は長く蒼苔を生じ、満地の花磚は碧草を生ず。門前の小鬼は、臂折れて不気味を顕さず。殿上の判官は、幞頭無くして礼数を成さず。供床上は蜘蛛網を結び、香炉内は蝼蚁が巣を営む。狐狸は常に紙炉の中に眠り、蝙蝠は神帳を離れず。

宋江、只廟門を押し開き、月光に乗じて廟内に入り、一つの避け所を尋ぬ。前殿、後殿、一回り見るも、身を安んずる所無く、心愈々慌つ。只外面に人の言うを聞く、「都管、只此の廟に走り入りたるか?」と。宋江、之を聞く時、趙能の声なり。急に躲る所無く、此の殿上に一つの神厨あるを見、宋江、帳幔を揭げ、望みて身を探り、神厨の中に鑽り入る。短棒を安んじ、一つの塊と為りて厨内に伏し、気も喘ぐを敢えず。只外面に火把を持ち、照らし入るを聞く。

宋江、神厨の中にて偸み見るに、趙能、趙得、四五十人を引き連れ、火把を持ち、各所を照らし、殿上に照らし上るを看る。宋江云いけるは、「我、今度は死路を走れり。陰霊の庇护を望み、神明の庇佑を願う」と。一人一人、皆過ぎ去り、神厨の中を見る者無し。宋江云いけるは、「天幸に非ずや」と。只趙得、火把を持ちて神厨内を照らさんとす。宋江云いけるは、「我、此度は正に縛を受けん」と。趙得、片手に朴刀の柄を持ちて神帳を挑げ上げ、上下を火にて一照らしす。火烟立ち上がり、一片の黒塵を衝き落とす。正に趙得の眼に落ち、眼を瞇ゆ。即ち火把を地に抛ち、一脚に踏み消す。殿門外に出で、土兵等に對して云いけるは、「此の奴、廟に在らず。他に又路無し。何処へ行きしや?」と。衆の土兵云いけるは、「多分、此の奴、村の中の樹林に走り入りたるならん。此処にては彼の逃げ去るを恐れず。此の村、還道村と名付け、只此の路のみ出入りす。内に高山林木有りと雖も、路無くして上るを得ず。都頭、只村口を把せよ。彼、翅を插し天に飛び上るとも、逃げ去るを得じ。明るみを待ち、村の中にて細かに搜し捉えん」と。趙得云いけるは、「是なり」と。土兵を引き連れ、殿を下り去る。

宋江云いけるは、「神明の佑けに非ずや。若し命を得ば、必ず廟宇を重修し、祠堂を再建し、陰霊の保佑を願わん」と。言い終わらぬ内に、只数人の土兵、廟門の前に在りて叫ぶを聞く、「都頭、此処に在り」と。趙能、趙得、衆人と一団に搶り入る。宋江云いけるは、「又もや不運、此度は必ず捉えられん」と。趙能、廟前に到りて問う、「何処に在る?」と。土兵云いけるは、「都頭、来たりて廟門の上の二つの塵の手跡を見よ、必ずや先刻廟門を押し開き、閃りて内に入りたるならん」と。趙能云いけるは、「言うこと是なり。再び仔細に搜し見よ」と。

此の一団、再び廟内に入り搜し看る。宋江云いけるは、「我が命運、此の如く蹇拙なり。今度は必ずや終わりなり」と。其の一団、殿前殿後を搜し盡くすも、只磚を翻すに及ばず。衆人、又搜すこと一回、火把、殿上に照らし上らんとす。趙能云いけるは、「多くは只神厨の中に在るならん。先刻、兄弟、仔細に見ず。我、自ら照らし見ん」と。一人の土兵、火把を持ち、趙能、片手に帳幔を揭げ、五、七人の者、首を伸ばし見る。見ずんば万事休す。一たび見れば、只見るに神厨の中より一陣の悪風巻き起こり、その火把を吹き消す。黒々として廟宇を覆い、面を對するも見えず。趙能云いけるは、「又怪しきことあり。平らなる地より此の陣の悪風を巻き起こす。想うに神明、内に在りて、我らの只管に照らすを嗔り給い、故に此の陣の悪風を起こし顯應を為し給うならん。我ら且く去らん。只村口を守り、明るみを待ちて再び尋ねん」と。趙得云いけるは、「只神厨の中、仔細に見ざりし。再び槍を取りて一搠せん」と。趙能云いけるは、「是なり」と。

二人、進まんと欲する時、只殿の後より又一陣の怪風巻き起こり、飛沙走石を吹き、滾り下り来り、殿宇を搖るがし、吸吸として動かし、一陣の黒雲を覆い下し、上下を布合せ、冷気人を侵し、毛髮竖起す。趙能、情の好からざるを知り、趙得を呼びて云いけるは、「兄弟、速やかに走れ。神明、喜ばず」と。衆人、一哄と皆殿を奔り下り、廟門外を望み走り去る。数人、轉げ倒れたるも有り、腿を挫きしも有り、起き上がり、命を奔らせ廟門を出づ。只廟の中に人の叫ぶを聞く、「我らを赦し給え」と。趙能、再び入り看るに、二、三の土兵、龍墀の中に跌れ倒れ、樹根に衣を掛けられ、死にても掙み脫れず。手に朴刀を抛ち、衣裳を引きて赦しを叫ぶ。宋江、神厨の中に聞き、忍びて笑うことを得ず。

趙能、土兵の衣服を解き脫せしめ、廟門外に引き出だす。前の方に在る数人の土兵云いけるは、「我、此の神道最も靈なりと言えり。汝ら、只管内に纏わり、小鬼を發作せしめたり。我ら只村口を守りて彼を待たん。飛び去らしむるに及ばず」と。趙能、趙得云いけるは、「言うこと是なり。只村口の四方を守り定めよ」と。衆人、皆村口を望みて去る。

ただ宋江は神厨の中にいて、口の中で「恐れ入った」と言った。「あの連中に捕まらなかったのは幸いだが、どうやって村の出口まで行けるだろうか?」と。神厨の中で考えあぐね、万策尽きたとき、後ろの廊下から誰かが出てくる音がした。宋江は言った。「また厄介なことになった!幸いにも外に這い出さなかった。」すると、二人の青衣の童子がまっすぐ神厨のそばに来て、口を開いた。「小童は娘娘の法旨を奉じ、星主にお話しするよう請うております。」宋江は声を出して返事をする勇気もなかった。外の童子がまた言った。「娘娘がお招きです。星主はお進みください。」宋江はやはり返事をしなかった。外の童子がまた言った。「宋星主、ためらってはいけません。娘娘が長くお待ちです。」宋江がその声を聞くと、鶯のような燕のような声で、男の声ではなかった。そこで神棚の下から這い出て見ると、二人の青衣の女童が寝台のそばに立っていた。宋江は驚いたが、それは二体の泥像だった。外からまた言う声がした。「宋星主、娘娘がお招きです。」宋江は帳を分けて這い出ると、そこには二人の青衣の螺髻の女童がいて、揃って身をかがめ、それぞれに一礼をした。宋江がその女童を見ると、次のような様子だった。

朱顔緑髪、皓歯明眸。飄々として塵埃に染まらず、炯々として天仙の風韻あり。螺蛳髻は山峰のごとく堆き、鳳頭鞋は蓮弁のごとく軽やか。領抹は深青、一色に銀縷を織り成す;帯は真紫に飛び、双環は金霞を結ぶ。あたかも閬苑の董双成、蓬莱の花鳥使を思わせる。

そのとき宋江は尋ねた。「二位の仙童はどこから来られたのですか?」青衣が言った。「娘娘の法旨を奉じ、星主を宮中にお招きするよう申し付かっております。」宋江が言った。「仙童、お間違いです。私は姓は宋、名は江と申し、星主などではございません。」青衣が言った。「どうして間違いがありましょうか?星主、どうかお進みください。娘娘が長くお待ちです。」宋江が言った。「どのような娘娘でしょうか?一度もお目にかかったこともないのに、どうして参れましょうか?」青衣が言った。「星主がお着きになればおわかりになります。尋ねるには及びません。」宋江が言った。「娘娘はどこにおられますか?」青衣が言った。「ただ後ろの宮中にいらっしゃいます。」青衣が先に立って進み、宋江は後に従って殿を下り、後ろに回って、脇の角門を通った。青衣が言った。「宋星主はこちらからお入りください。」宋江が角門に従って入って見ると、星月が空に満ち、香風がそよぎ、四方はすべて茂み深い林と竹だった。宋江は考えた。「なるほど、この廟の後ろにまたこんな場所があったとは。これを知っていたら、わざわざここに隠れずに、あんなに怖い思いをしなかったものを。」宋江が進むと、香りのよい小道の両側には大きな松の木が植えられており、どれも抱えきれないほどの太さで、その間は平らな亀甲模様の大通りだった。宋江は見て、密かに考えた。「古い廟の後ろにこんな良い道があるとは思わなかった。」青衣に従って一里も行かないうちに、サラサラと流れる谷川の音が聞こえてきた。前方を見ると、青石の橋が一つあり、両側には朱塗りの欄干があり、岸には珍しい花、異草、蒼松、茂竹、翠柳、夭桃が植えられ、橋の下では銀を転がし雪を巻くような水が流れ、石の洞を通り抜けていた。橋を渡って見ると、両側には珍しい木々が並び、その中に大きな朱塗りの棂星門があった。宋江が棂星門を入って見ると、頭を上げて一つの宮殿が見えた。その様子は次のようだった。

金釘朱戸、碧瓦雕檐。飛経は盤柱して明珠に戯れ、双鳳は幃屏に暁日を明らかにす。紅泥の壁、紛紛たる御柳は宮花の間に;翠靄の楼台、淡淡たる祥光は瑞影を籠む。窓は亀背を横たえ、香風は冉冉として黄紗を透る;簾は蝦鬚を巻き、皓月は団団として紫綺に懸かる。もし天上の神仙の府に非ずんば、定めて人間の帝王の家ならん。

宋江はこれを見て考えた。「私は郓城県に生まれ住んでいるが、こんな場所があるとは聞いたことがない。」心の中で恐れ、足を動かすことができなかった。青衣が星主に進むよう促した。案内されて門内に入ると、竜墀があり、両廊下はすべて朱塗りの亭柱で、どれも刺繍の幕を掛け、中央に一つの大殿があり、殿上には灯りが煌々と輝いていた。青衣が竜墀の中から一歩一歩月台に案内すると、殿上の階段の前からまた何人かの青衣が言った。「娘娘が星主に入内をお招きです。」宋江が大殿に入ると、思わず肌が震え、毛が逆立ち、下はすべて竜鳳の磚の階段だった。青衣が幕の中に入って奏上した。「宋星主を階前にお連れしました。」宋江は幕の前、御階の下に進み出て、身をかがめて再拝し、地に伏して、口を開いて言った。「臣は下界の濁れる庶民にて、聖上を存じ上げず、伏して天の慈しみを仰ぎ、どうか哀れみを賜らんことを。」御幕の中から旨が下された。「星主に坐を賜れ。」宋江はどこで頭を上げられようか。四人の青衣に命じて錦の墩に坐らせ、宋江はやむを得ず座った。殿上で「幕を巻け」と声がかかると、数人の青衣がすぐに珠の幕を巻き上げ、金の鉤にかけた。娘娘が尋ねられた。「星主、お別れして以来お変わりありませんか?」宋江は立ち上がって再拝し言った。「臣は庶民にて、聖顔を直視する勇気はございません。」娘娘が言われた。「星主がここまで来られたからには、あまり礼を尽くすには及ばない。」宋江はようやく頭を上げて目を開け、殿上が金碧交わり輝き、竜灯鳳燭が灯されているのを見た。両側にはすべて青衣の女童が立ち、笏を持ち圭を捧げ、旌を執り扇を擎げて侍していた。中央の七宝九竜の床に、その娘娘がお座りになっていた。宋江が見たその様子は次のようだった。

頭には九竜飛鳳髻を結い、身には金縷の絳綃衣をまとい、藍田の玉帯は長裙を曳き、白玉の圭璋は彩袖に擎げられたり。顔は蓮萼のごとく、天然の眉目は雲環に映え;唇は桜桃に似て、自在の規模は雪体を端す。正大なる仙容は描き尽くせず、威厳ある形象は画き難し。

その娘娘が口を開いて言われた。「星主をここにお招きした。」童子に命じて酒を献じさせた。両側の青衣の女童が、珍しい花の宝瓶を捧げ、酒を運んで来て、玉杯に注いだ。一人の頭の女童が玉杯を執って酒を渡し、宋江に勧めた。宋江は立ち上がり、辞退する勇気もなく、玉杯を受け取り、娘娘に向かって跪いて一杯を飲み干した。宋江はこの酒が馨香馥郁として、醍醐の頂に灌ぐがごとく、甘露の心に洒するがごとく感じた。また一人の青衣が、一皿の仙棗を捧げて、宋江に勧めた。宋江は戦戦兢兢として、面目を失うのを恐れ、爪先で一つをつまんで食べ、核を手に握った。青衣がまた一杯の酒を勧め、宋江はまた一気に飲み干した。娘娘の法旨で、さらに一杯勧めるよう命じられ、青衣がまた一杯の酒を勧め、宋江はまた飲んだ。仙女が仙棗を差し出し、また二つ食べた。合わせて三杯の仙酒、三枚の仙棗を飲み食いした。宋江は春の色に微かに酔い、酒に酔って面目を失うのを恐れ、再拝して言った。「臣は酒量が足りませぬ。どうか娘娘、これ以上のご下賜をお許しください。」殿上の法旨が下された。「星主が酒を飲めぬのなら、やめにせよ。あの三巻の『天書』を取って来て、星主に賜れ。」青衣が屏風の後ろへ行き、玉盤の中から黄羅の袱紗に包まれた三巻の天書を捧げ出し、宋江に手渡した。宋江が見ると、長さ五寸、幅三寸、厚さ三寸ほどで、開いて見る勇気もなく、再拝して謹んで受け取り、袖の中にしまった。娘娘の法旨が下された。「宋星主、汝に三巻の『天書』を伝える。汝は天に代わって道を行なうべし。主としては忠を尽くし義を仗とし、臣としては国を輔け民を安んじ、邪を去って正に帰れ。我に四句の天言あり、汝はこれを覚え、終身佩び受け、忘れることなく洩らすことなかれ。」宋江は再拝して言った。「願わくは天言を受けん。」娘娘が法を説かれた。

宿に遇えば重重の喜び、高に逢うも凶には非ず。外夷及び内寇、幾つかの処に奇功を見ん。

宋江は聞き終えて、再拝して謹んで受けた。娘娘の法旨が下された。「玉帝は星主の魔心未だ断ち切れず、道行未だ完からざるをもって、暫く下界に罰し、程なく再び紫府に登らん。少しの懈怠もあってはならぬ!もし他日罪を得て酆都に下るならば、我も汝を救うことはできぬ。この三巻の書は、よく観て熟視すべし。ただ天機星と共に観るべく、他の者は見るべからず。功成りたらば、これを焚くべし。世に留めて置くな。嘱する所の言、汝は覚えるべし。目下、天と凡は隔たり、久しく留まるは難し。汝は速やかに帰れ。」そして童子に命じて急ぎ星主を送り返させ、「他日、瓊楼金闕にて、再び相会せん」と言われた。

宋江は娘娘に謝し、青衣の女童に従って殿庭を下り、棂星門を出て、石橋のそばまで送られた。青衣が言った。「先ほど星主はお驚きになりましたが、娘娘のお護りがなければ、捕らえられていたでしょう。夜明けには、自然にこの難は離れましょう。——星主、石橋の下の水の中で二匹の竜が戯れているのをご覧ください。」宋江が欄干に寄って見ると、確かに二匹の竜が水で戯れていた。二人の青衣が下に向かって押すと、宋江は大声を上げて叫び、神厨の中にぶつかった。目覚めると、それは南柯の一夢だった。

宋江が起き上がって見ると、月影はちょうど中天にあり、だいたい三更の時分だと思われた。宋江は袖の中をまさぐると、手に三つの棗の核があり、袖の中には帕子に包まれた天書があった。取り出して見ると、果たして三巻の天書であり、また口の中にはまだ酒の香りが残っているのを感じた。宋江は心の中で思った。「この夢はまことに不思議だ。夢のようで夢ではない。もし夢だとしたら、どうしてこの天書が袖の中にあり、口の中に酒の香りがあり、棗の核が手にあるのだろう?私に言った言葉も、すべて覚えていて、一句も忘れていないではないか?もし夢でないとしたら、私は明らかに神厨の中にいて、一跌して中に落ち込んだのだ。何が難しくてわからないことがあろう?思うに、ここの神霊が最も霊験あらたかで、このように姿を現されたのだ。ただ、どのような神明かは知れないが。」帳幔をまくりあげて見ると、九龍椅の上に一人の妙なる面相の娘娘が座っておられ、まさに夢の中と同じであった。宋江は考えた。「この娘娘は私を星主と呼んだ。思うに、私の前世もただ者ではなかったのだろう。この三巻の天書は、きっと使い道がある。授けてくださった四句の天言も、忘れてはいない。青衣の女童が言った。『夜が明ければ自然とこの村の災いを免れるでしょう』と。今や空もようやく明るくなってきた。私はこれで出て行こう。」

そこで手を伸ばして厨の中から短棒を探り当て、衣服を払ってきれいにし、一歩一歩と殿を下り、左の廊下から廟の前に回り出て、仰いで見ると、古い額には四つの金字が刻まれていた。「玄女之廟」。宋江は手を額に当てて拝礼し、感謝して言った。「恐れ多いことです。なんと九天玄女娘娘が私に三巻の天書を授け、また私の命をお救いくださいました。もし再び天日を拝することが叶いましたなら、必ずここに来て廟宇を修復し、殿庭を再建いたします。伏して願わくは、聖慈よ、身をかがめて垂れ憐れみ、お守りくださいませ。」感謝を述べ終えると、ただ村口を目指してこっそりと出て行った。

廟から遠くないところで、前方の遠くから喊声が天に連なるのが聞こえた。宋江は思案した。「またもや事がうまくいかない。」立ち止まり、しばらくは出て行くまい。私が彼らの前に出れば、きっと捕らえられる。ここはひとまず路傍の木の陰に身を隠そう。

木の陰に身をひそめたとたん、数人の土兵が息を切らせて、一団となって走り込んできた。刀槍を杖にして、一歩一歩とよろめきながら入ってきて、口々にただ「神聖よ、お助けを」と叫んでいる。宋江は木の陰からそれを見て、思案した。「またもや奇怪なことだ。彼らは村口を守り、私が出てくるのを待って捕らえようとしていたのに、どうして慌てて入り込んできたのか?」さらに見ていると、趙能も入り込んできて、口々に「我々は皆、死んだも同然だ」と叫んでいる。宋江は言った。「あの奴はなぜあのように慌てているのか?」すると背後から一人の大男が追いかけて入ってきた。その大男は上半身に一糸もまとわず、鬼のような肉を露わにし、手には二振りの夾鋼板斧を持ち、口に「この鳥野郎、逃げるな!」と喝しながら。遠くでははっきり見えなかったが、近くで見れば明らかで、まさしく「黒旋風」の李逵であった。宋江は思った。「まさか夢の中ではないか?」と。出て行く勇気が出なかった。

趙能がちょうど廟の前に来たところ、松の根に足を取られて、一跌して地面に倒れた。李逵が追いつき、勢いよく片足で背中を踏みつけ、手にした大斧を振り上げてまさに斬りかかろうとしたところ、背後からさらに二人の好漢が追いついてきて、毡笠を背中に跳ね上げ、それぞれ朴刀を構えていた。上座に立つのは欧鵬、下座に立つのは陶宗旺であった。李逵は彼ら二人が追いついてくるのを見て、功を争うことを恐れ、義気を損なうまいと、手に持ったまま趙能を一斧で真っ二つに斬り、胸までも切り裂いてしまった。跳ね起きると、土兵たちを追いかけ討ち、四方八方に散り散りに逃げ去らせた。宋江はそれでも容易に出て行こうとはしなかった。

背後からさらに三人の好漢が追いついてきて、またもや斬り込んできた。先頭は「赤髪鬼」の劉唐、次は「石将軍」の石勇、三番目は「催命判官」の李立であった。この六人の好漢が言った。「奴らは皆、討ち散らしたが、兄貴の姿だけが見つからない。どうしたら良いものか?」石勇が叫んだ。「あの松の木の陰に一人の男が立っているではないか?」宋江はようやく勇気を振り絞って身を現し、言った。「感謝する、兄弟たちよ。またもや私の命を救ってくれた。どうしてこの大恩に報いることができようか?」六人の好漢は宋江を見て、大いに喜び、「兄貴が見つかったぞ!早く晁頭領に知らせよ」と言った。石勇と李立はそれぞれ別れて行った。

宋江は劉唐に尋ねた。「お前たちはどうして知って、ここに私を救いに来たのだ?」

劉唐は答えた。「兄貴が一足先に山を下りられると、晁頭領と吳軍師は安心できず、戴院長をすぐに遣わして、兄貴の行方を探らせました。晁頭領はなおも安心できず、さらに我々一同を遣わして、後を追わせました。兄貴に何か落ち度があるのを恐れたのです。途中で戴宗に出会い、『二人の賊の奴が兄貴を追いかけ捕まえようとしている』と聞きました。晁頭領は大いに怒り、戴宗に山塞へ行くよう命じ、吳軍師、公孫勝、阮家三兄弟、呂方、郭盛、朱貴、白勝だけを残して寨柵を守らせ、残りの兄弟は皆、ここに来て兄貴を探すようにと言いました。人の話では、『宋江を追って還道村に入った』とのこと。村口を守っていた奴らは、一人残らず殺し、一人も残しませんでした。ただ、この数人だけが村の中へ逃げ込んだのです。すぐに李大哥が追いかけ、我々も皆、追い入れてきました。まさか兄貴がここにおられるとは思いませんでした。」言い終わらないうちに、石勇が晁蓋、花栄、秦明、黄信、薛永、蒋敬、馬麟を連れて来た。李立が李俊、穆弘、張横、張順、穆春、侯健、蕭譲、金大堅の一行を連れて来て、大勢の好漢たちが皆、顔を合わせた。宋江は頭領たちに謝意を表した。晁蓋は言った。「賢弟に自ら山を下りる必要はないと言ったのに、愚兄の言葉を聞かず、危うくまたもや事を起こすところであった。」宋江は言った。「小可の兄弟でございます、ただ父上の一件が気にかかり、座っても寝ても落ち着かず、宋江として参らずにはいられませんでした。」晁蓋は言った。「良い知らせを聞かせよう。令尊と令弟のご家族は、私が先に戴宗に命じ、杜遷、宋万、王矮虎、鄭天寿、童威、童猛を連れて送らせ、すでに山塞に到着しておられる。」宋江はこれを聞いて大いに喜び、晁蓋に拝礼して言った。「仁兄がこのようなご恩を施してくださり、宋江は死んでも恨みはございません!」

晁蓋と宋江は共に喜び、頭領たちと共にそれぞれ馬に乗り、還道村の村口を離れた。宋江は馬上で手を額に当て、空に向かって礼拝し、神明の庇護の力を感謝し、後日必ずや願いを果たすことを誓った。ここに古風一篇があり、ただ宋江の忠義が天の助けを得たことを詠う:

昏朝の気運まさに顛覆せんとす、四海の英雄は微族より起こる。

流光は象を垂れて山東に在り、天罡は上応して三十六。

瑞気は旋廻して鄆城を繞る、この郷に生まれて宋公明と降る。

幼年には諸経史を渉獵し、長じて吏となるも人情を惜しむ。

仁・義・礼・智・信は皆備わり、兼ねて九天玄女の経を受く。

豪傑は交遊して天下に満ち、凶に逢いて吉に化するは天の生成。

他年、直ちに梁山泊に上り、天に代わりて道を行い、天兵を動かさん。

さて、一行は還道村を離れ、そのまま梁山泊へと向かった。吳学究は守山の頭領を率いて、金沙滩まで来て、皆で出迎えた。前に大寨の聚義庁に着くと、衆好漢が皆、顔を合わせた。宋江は急いで尋ねた。「老父はどこに?」晁蓋はすぐに宋太公をお呼びするよう命じた。間もなく、「鉄扇子」の宋清が山駕籠を支え、宋太公を乗せて到着した。人々が支え、駕籠から下ろして庁に上がった。宋江はこれを見て、喜びが天から降るかのようで、笑顔が満ち溢れた。宋江は再拝して言った。「老父にはご心配をおかけしました。宋江は不孝の子で、父上を連座させ、ご心配とご恐怖をおかけしました。」宋太公は言った。「憎たらしいことに、趙能という奴の兄弟二人が、毎日人を遣わして我々を監視させ、江州の公文が来るのを待って、我々父子を捕らえ、官府に差し出そうとしていたのだ。お前が庄の裏門を叩いた時には、すでに八、九人の土兵が前の草庁にいたのだが、その後いつの間にか姿を消し、どうやって追い出されたのかわからなかった!三更の時分になると、さらに二百人余りが庄の門を開け、私を抱え上げて駕籠に乗せ、お前の弟の四郎に箱籠をまとめさせ、庄の家屋に火を放った。その時、理由を問う暇もなく、そのままここに連れて来られたのだ。」宋江は言った。「今日、父子が再会して顔を合わせることができたのは、すべて兄弟たちの力によるものです。」弟の宋清に命じて、頭領たちに礼を言わせた。晁蓋たち一同は宋太公に拝謁を済ませると、一方で牛を屠り馬を殺し、祝いの宴を設け、宋公明の父子の再会を祝った。その日は皆が酔い潰れるまで飲み明かし、翌日もまた宴席を設けて祝賀し、大小の頭領たちは皆、大いに喜んだ。

三日目、晁蓋はまたひそかに酒宴を設け、宋江の親子再会を祝った。これがふと公孫勝の心に一つの思いを呼び起こした。彼は自分の母がまだ薊州におり、家を離れて久しく、どのような様子か気にかかったのである。一同が酒を飲んでいると、公孫勝が立ち上がり、頭領たちに向かって言った。「皆々様にこの道者を長くお連れいただき、その恩情は骨肉のごとくでございます。ただ、小道は晁頭領に従って上山して以来、日ごとに宴席を楽しみ、一度も故郷に帰って老母を見舞ったことがございません。また、師匠の真人様のご心配も気にかかります。ついては、一度故郷に帰って見舞い、皆々様に三、五か月ほどお別れし、再びお目にかかって小道の願いを果たし、老母の待ち望む思いを慰めたく存じます。」晁蓋が言った。「以前、先生からお聞きしましたが、お母上は北方でお世話する者もおられないとのこと。今、そのようにおっしゃるなら、お止めすることは難しいが、お別れするのが忍びない。行かれるにしても、明日まで待って送り出そう。」公孫勝は礼を述べた。その日、皆は酔い尽くして散会し、それぞれ部屋に戻って休んだ。翌朝早く、関の下に酒宴を設け、公孫勝の送別を行った。

さて、公孫勝は相変わらず雲遊道士の姿に身をやつし、腰には腰包と肚包を巻き、背には雌雄の剣を負い、肩には棕笠を掛け、手にほら貝の扇を持って下山した。頭領たちは彼を迎え、関の下に酒宴を開き、各自が杯を挙げて送別した。餞別が終わると、晁蓋が言った。「一清先生、今回のご出立はお引き止めできませんが、決して約束を違えてはなりません。本来なら先生を行かせるわけにはいきませんが、老母のことがある以上、お止めすることはできません。百日後、ぜひともご来臨をお待ちしております。決して約束を違えられませぬよう。」公孫勝が言った。「皆々様に長くお世話になりながら、小道がどうして約束を違えましょうか!家に帰って師匠の真人様にお目にかかり、老母を落ち着かせたら、すぐに山寨に戻ります。」宋江が言った。「先生、どうして何人かをお連れにならないのですか。ついでに老母を山に移し、朝夕お世話すればよろしいでしょう。」公孫勝が言った。「老母は生まれつき静けさを愛し、驚かされるのを嫌います。ですからお連れするのは控えます。家には田畑や山荘がございまして、老母自身でやりくりしております。小道はただ一度見舞いに行き、また集まりに参ります。」宋江が言った。「それならば、おっしゃる通りにいたしましょう。ただ、早くお越しいただけるのを願っております。」晁蓋は金銀の一盛りを取り出して贈ろうとした。公孫勝が言った。「こんなに多くは要りません。路銀だけで十分です。」晁蓋は無理に半分を受け取らせ、腰包にまとめて包ませた。公孫勝は一礼して皆に別れを告げ、金沙滩を渡って旅立ち、薊州へ向かった。

頭領たちが酒宴を片付け、まさに山上に戻ろうとした時、「黒旋風」李逵が関の下で声を上げて泣き出した。宋江が急いで尋ねた。「兄弟、なぜそんなに悩むのだ。」李逵は泣きながら言った。「本当に腹が立つ!こいつは父を迎えに行き、あいつは母を見舞いに行く。それなのに、俺の鉄牛だけは土の穴から這い出てきたのか。」晁蓋が尋ねた。「では、お前は今どうしたいのだ。」李逵が言った。「俺にはたった一人の老母が家にいる。兄貴は他人の家で年季奉公している。どうして俺の母を楽にさせられる?ここに連れて来て、しばらくでも楽しませてやりたい。」晁蓋が言った。「兄弟の言う通りだ。俺が何人か一緒に行かせてやろう。山に連れて来れば、それはとても良いことだ。」宋江が言った。「それはいかん。李家の兄弟は気性が良くない。故郷に帰れば必ず事故が起きる。誰かを一緒に行かせても具合が悪い。それに、彼は火のような気性で、道中で必ず揉め事を起こす。江州で多くの人間を殺しているから、誰が彼を『黒旋風』と知らぬ者があろうか。この数日、官憲がそこに回状を送らぬはずがない。必ず故郷で追跡されている。お前はまた凶暴な顔つきだ。もし事故があれば、道のりが遠くてどうして知ることができよう。まずはしばらく待ち、平穏になったと聞いてから迎えに行くのが遅くはない。」李逵は焦って叫んだ。「兄貴、お前も不公平な人間だ。自分の父は山に連れて来て楽しませるのに、俺の母は村で苦しませる。これで鉄牛の腹が張り裂けそうだ!」宋江が言った。「兄弟、焦るな。もし母を迎えに行くというなら、俺の言う三つのことを守れ。そうすれば行かせてやる。」李逵が言った。「その三つのことを言ってみろ。」宋江は二本の指を立て、その三つのことを言い出した。これによって、李逵は天地を揺るがすような手段を振るい、あの山を越え谷を跳ねる猛獣と戦うことになる。はたして宋江が李逵に言った三つのこととは何か、それは次の回の解き明かしを聞かれたい。