下経
豊
第 25 篇
《易経》
豊卦:亨通す。王がそこに至るも、憂うることなかれ。日中の時にあたるのが宜しい。
初九:これに匹敵する主に出会う。たとえ十日を経ても咎めなし。往けば嘉賞がある。
六二:その覆いを増し、日中の時に北斗の星を見る。往けば疑いと病いを得る。誠信をもって人を感じ起こせば、吉。
九三:その幔幕を増し、日中の時に小星を見る。自らの右腕を折るも、咎めなし。
九四:その覆いを増し、日中の時に北斗の星を見る。これと等しい待遇の主に出会う、吉。
六五:文采ある光華を招く。喜びと誉れあり、吉。
上六:その家を大きくし、その室を覆い隠す。その門戸を窺うも、静かにして人なし。三年見ることを得ず、凶。
彖伝に曰く:
豊は大いなる意なり。明るくして動く、故に豊かなり。王がそこに至るは、大いなるを尚ぶなり。憂うることなく日中の時が宜しきは、天下を普く照らすに宜しきなり。日は中すれば傾き、月は満ちれば虧く。天地の盈虚は、時に随いて消長す。況んや人に於いてをや。況んや鬼神に於いてをや。
象伝に曰く:
雷電ともに至る、これ豊卦の象なり。君子これによりて獄を断じ、刑を施す。
十日を経るも咎めなしと雖も、十日を過ぐれば災いあり。
誠信をもって人を感じ起こすは、誠信をもって心志を発するなり。
その幔幕を増すは、大事を行うべからざるなり。自らの右腕を折るは、終に用うべからず。
その覆いを増すは、位の当たらざるなり。日中の時に北斗の星を見るは、幽暗にして明らかならず。これと等しい待遇の主に出会い、吉なるは、動くによる。
六五の吉は、慶喜あるなり。
その家を大きくするは、天際に飛翔するなり。その門戸を窺うも静かにして人なきは、自ら隠れ藏るるなり。
